深夜枠
春休みの宿題みたいな、課題ではないけど課題みたいな、自分の卒論を今一度推敲してリニューアルするという地獄みたいな作業をやっていた。
何が嫌かって、自分の書いた気に入ってない文章を読み直すことほど苦痛なものはない。
自分の書いたことで例えばtwitterのTLで誰かをクスッとさせることはたまにはできるかもしれない。しかし論文やレポートはそれ用の文章ではない。我が論文やレポートの文章力、非常にださいので困っている。「おまえ五年も大学居てて何学んできたの」と方々から非難轟々を覚悟するようなへなちょこな論証しかできないのでこれは「笑止千万」ていうやつだろう。
つらい
さらにクソ野郎なことには、既に教授へ送る筈の締め切りを過ぎている。
私「もう三月?」
締切(二月末)「さようなら」
私「教授、ごめんなさい」
四月「もうすぐ会いにいくよ」
あとひと月で労働者になるなんて信じられない。私は高等遊民になりたい。
台北旅行記 その3 烏龍茶と茶器
予定のない土曜日の午後、居間で寛いで読書にも飽きてきたら、とっておきのワインを開けて昼間から飲酒する背徳を味わいたい。
という思い付きの白昼飲酒妄想を恥ずかしげもなく披露したら友人Sが苦笑いしてた。私だって苦笑する。昼間からのエチル・アルコールに対して過度に非日常的期待を抱いてはいないし、そもそも家にとっておきのワインはない。
ワインを干すかわりに私はよくお茶を飲む。お茶は好き。一人分だけ淹れて一人で飲むミルクティの癒しの効果を知った時から、何かしらのお茶のストックを切らしていない。
台北でも自分土産のお茶をざっくり購入した。
烏龍茶と一口に言えどもその種類はいろいろあるらしい。なんかステキなお茶の葉のお店でたくさん試飲をいただいて、〈東方美人茶〉と〈凍頂烏龍〉の二種を選んだ。香りが良くて多幸感に包まれる。
茶器も購入。一人用の、蓋付き茶漉し付きのマグカップ的なカップで、青地に赤い花がかわいい。
家族用にかわいい急須が欲しいなあとも思ったのだけど、台湾の急須と湯呑みはとてもちっちゃくて、徳利と猪口くらいのサイズ感であった。趣味で欲しい感じはしたけれど、実用的ではないのであった。
ともあれ青のカップはかわいい。生活に癒しが増えたみたいで心洗われる。
台北旅行記 その2 九份
台北二日目には台湾の山のほう? にあるという九份を訪れた。
ツアーガイドのお兄さんに「行きは良いとして、帰りはまともな路線バスも流しのタクシーもないので帰ってこられませんヨ」と忠告されたので、大人しくオプションツアーを追加で申し込みツアーバスの席を確保する。九份に行きたい御仁は気をつけたほうがいいと思います。
九份は山間の歓楽街、基本的に常に雨、との前情報に備えて折り傘を持って行ったのだけれど、我々の滞在中は運が良く雨が止んでいた。直前までの雨でつやつやと濡れて街の明かりを乱反射する地面と、テーマパーク並みに混雑する人の波に半ば朦朧としながら、「この中で誰もが傘を差したらなんぼか刺さって痛かろうなあ」と考えていた。夜の九份は(主に日本語を話す)人で溢れかえっていた。
ツアーバスの中でのガイドお姉さん曰く、「九份、お茶、大切。九份に来てお茶飲まずに帰る、これ九份に来たことにならない。阿妹茶楼でお茶飲みましょう」とのことだった。しかしツアーで与えられた行動時間ではゆっくりとお茶屋さんで烏龍茶を嗜む時間はなかった。残念、我々は九份に来たことにならなかったっぽい。解せない。
座ってお茶する時間はなかったが、買い物と夜景を心から楽しんだ。
花文字を描く職人さんに双囍のかわいい字を描いてもらった。姉へのお土産にお茶のパックを買った。『千と千尋の神隠し』の監督が発想を得たという街並みを堪能し、カオナシの雰囲気のある変なお面も見た。
夜の九份、赤い提灯と坂と階段、人混み、霞に煙る夜景、かなり良かったです。また台湾に来ることがあったとしてももう一度行きたい。
台北旅行記 その1 食べたもの編
友人Sと二人で台北へ行ってきた。
修学旅行で訪れて以来の二度目の台湾、残念ながらその修学旅行でなぜか少しも楽しめなかった台湾、なんか無闇にたらふく食べさせられた挙句あんまり面白くない思い出ばかりが記憶に残っている台湾に、リベンジ旅行に行って参った。
今回のこの卒業旅行は、打って変わってとても充実して楽しかったのでとても良かった。これは旅行記の備忘録である。
まずは食べたものから。
3泊4日の間に食べたもの
初日
機内食、鼎泰豊の小籠包と炒飯と湯葉入りほうれん草のおいしいやつ、マンゴーのミルクかき氷
二日目
ホテルの朝食、ラズベリーのジェラート、安くておいしい豚丼みたいなやつ、辛くない火鍋、タピオカ入りのジャスミン茶
三日目
朝食、トマト牛肉の刀削麺、夜市で食べ歩いた肉まん、飲む杏仁、棒付き寒天ゼリー、おまけして沢山くれたフルーツ、大蒜の効いた唐揚げ
最終日
朝食、鶏肉と野菜の丼、マンゴーフラペチーノ、機内食
誇張なく、まじで何食べても美味しかった。
本場もんのマンゴーは勿論、生の果物はいずれも濃くてフレッシュで。肉類は独特の香辛料が効いていて味がしっかりしていた。煮込んでやわくなった牛肉の解けるような旨味が忘れられない。何より野菜が美味しかった。菜っ葉がきれいな青で、そこが小汚い大衆食堂であっても引きも切らない人気店であっても、新しい良いものを食べている感が半端なかった。
それから、ちょいちょい登場する湯葉が個人的に超ヒットだった。湯葉、豪快、美味すぎる。豆腐のある国に湯葉あり、ということなのかは知らないけれど、嵐山とかでちまちま食べる湯葉より格段に美味しかった気がする、たぶん。
夜市で食べ歩いたのが良い気分だった。我々の時の修学旅行は夜市はおろか自由行動そのものがなかったので憧れが募りに募っていたのもある。賑やかでお祭り騒ぎで、人いきれに食べ物の匂いと電飾の煌々とした色と足の疲れの気だるさが混ざって、非現実的な旅行者気分を味わった。もちろん確かに旅行者だった。