優しい世界
長い長い人生の夏休みも残すところおよそ三週間となるが、実に長かった。
留年させてください。って言ったときの両親の反応が「まじかよー」とか「追加の学費は貸しだからね」くらいで本当に精神的に助かったと思っている。感謝してもしきれない。
昔から「勉強しなさい」とか「上昇志向を持て」とか言わない親だった。
「箸と鉛筆を正しく持て」
「人を跨ぐな」
「継続は力なり」
我が家の教えはこの三点に絞られていたような気がしないでもない。
今のところ、誰も私を責めないし追い詰めもしない優しい世界に生きている。私を責めたり追い詰めたりするのは暗い自分が時々勝手にやってるくらいのものである。しかし
私「職場にセクハラジジイやパワハラジジイがいたらどうしよう」
父「どんな環境にも必ずいる」
私「働きたくねえ」
父「社会は針のむしろやで」
私「働き始めた友人が誰一人として幸せに働いているように見えない」
父「社会はお人好しが損をするシステムやからな」
私「そういえば我が友は皆んな人がいい人ばっかりだな」
父「そういうことだ」
まだ働いてないけど働きたくない。高等遊民になりたい。