如月日記

二月に始めるから如月日記

歓迎会

 職場で歓迎会を開いてもらい、偉い人と話す機会があった。

 生まれておよそ四半世紀になんなんとするがいわゆる偉い人と話す経験に乏しい。私が大学の時に所属していたサークルでは、部長や副部長はその師匠筋に当たる偉い人とこんこんと酒を酌み交わす場面も多かったと聞く。当時は大変そうだとしか思わなかったけれど、彼らは人生経験値が上がりそうな機会に身を置いていたのだなあと今更ながら思いをはせた。

 碌に敬語も使えないのに上司と飲食しつつ話さざるを得ない場面で、何より話題に困るのは目に見えていた。しかし新人に優しい上司の人は、私の拙い話にもにこやかに耳を傾け、しかも話題を振ってくれる。

 大学のこと、通勤のこと、趣味その他、当たり障りがなく和やかな会話が滞りなく行われた。上司も偉い人もとてもいい人だった。私は職場環境に恵まれたのかもしれない。

 今時は「どんな本読むの」という質問もハラスメントになり得るのだそうな。当たり障りのない会話というのは以外と難しい。