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如月日記

二月に始めるから如月日記

桜流し

 咲いたばかりの花を散らす春の雨を桜流しという。

 兼六園前、広坂の桜は、薄い白の花びらが重なって春の色を作っている。地面は濡れているが、まだ花は流れていない。良かった。バスの中から、ライトに照らされてもいない寡黙な夜桜を想像力で補って観賞する。

 

 この町の空は天井が低く、雲と霞の境がない。高い湿度もむしろ息苦しくて、狭い水槽のなかで空気を探してぬるい真水を泳ぐように息も絶え絶えである。

 春の夜の雨ってこんなに重かったっけ?

 去年の春はまだギリギリ京都にいたので、冷泉通や葵橋の桜を眺められた。雨の夜にも空気の軽さに春を思えた。

 京都にお越しの御仁にはぜひ、金閣清水寺なんていう人混みの凄いところは避けていただいて、鴨川や高野川の河川敷の桜を楽しんでほしい。

 金沢へお越しの御仁は、無料開放期の兼六園をどうぞ。