如月日記

二月に始めるから如月日記

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『坊っちゃん』

語るに値する仕事は成していないけれどそれでもなんとか一か月働いた。初任給もいただいた。所得税もしっかり天引きされている。 勤労と納税の義務を果たす大人になれればそこそこ胸を張って生きていけると信じたい。後はまあ、女だからそのうち結婚して子供…

歓迎会

職場で歓迎会を開いてもらい、偉い人と話す機会があった。 生まれておよそ四半世紀になんなんとするがいわゆる偉い人と話す経験に乏しい。私が大学の時に所属していたサークルでは、部長や副部長はその師匠筋に当たる偉い人とこんこんと酒を酌み交わす場面も…

勤労乙女

社会の荒野を走り出し、一週間勤めた感想の実務編は割愛する。何しろまだろくな任務を与えられていないので語るに値することは何もしていない。実務以外では、バス通勤に際して定期券を鞄から便利に出し入れするためのパスケースが欲しいのう、と思った。こ…

桜流し

咲いたばかりの花を散らす春の雨を桜流しという。 兼六園前、広坂の桜は、薄い白の花びらが重なって春の色を作っている。地面は濡れているが、まだ花は流れていない。良かった。バスの中から、ライトに照らされてもいない寡黙な夜桜を想像力で補って観賞する…

『マゾヒズム小説集』

谷崎潤一郎『マゾヒズム小説集』より「少年」を読んだ。 これからは通勤で使うバスに毎朝小一時間揺られることになるから、アルバムが一つ聴けたり短編が一つ読めたりするらしい。そういうことで、一昨日は椎名林檎の「平成風俗」を、昨日は宇多田ヒカルの「…

十八歳の本棚

実家の自室の本棚が、十八歳のまま時を止めていた。 やがて生まれてきて四半世紀になんなんとする女の本棚に、数学ⅡBやら赤本やら英作文の極意みたいな参考書が並んでいるのはいかにもまずい。ただの片付け下手の面倒くさがりと過去の栄光を並べてはばからな…